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岡山大学機械システム系学科 編入体験記

はじめにIntroduction


  このページでは高専→大学編入学について記述します
 H31年度(2019年度)岡山大学機械システム系学科システム工学コースの3年次編入学試験についての体験記です。
 私は4年次までほとんど勉強していませんでした。
 岡山大受験について勉強していた勉強時間はおよそ260時間です
 

岡山大の編入試験exam abstract


岡山大は、各学科ごとに編入試験を行っており、学科ごとに試験形式や面接は大きく異なります。
一方、合格者数は全体で30名と決まっており、おそらく受験者の比率で割っているのだと思います。
私の受験した機械システム系学科は39人が出願、34人が受験し20人が合格しました。
合格人数は50人程度だったので募集人数の2倍程度取っています。

なお、推薦入試もあり、推薦と一般入試をあわせて30名募集しています。
推薦は合格すると必ず入学しなければならないので私は一般入試で受験しました。

合格確約書提出期日:10月上旬

志望動機reasons for application

私が岡山大を志望した理由は「3年次編入可能でロボット系の研究室がある大学だったため」です。
もう少し分解して考えると、
3年時編入可能→東大・京大以外
ロボット系の研究室がある→東工大、岡山大学など僅かな大学
となり、岡山大学よりレベルの高い東工大、阪大に続き第三志望で受験しました

さらに元のきっかけとして、友人の岡山大学生に勧められて調べると意外とロボット分野に力を入れていることがわかったことがあげられます。

試験科目subject


岡山大の試験科目は
・数学/物理
に加えて面接があります。数学と物理は合わせて試験が行われています
面接のウェイトは高いですが、口頭試問を含まないため研究室や大学の特色について調べていくと容易だと思います。

ボーダーは例年8割ですがH31はおよそ6割と見込まれます


数学

岡山大の数学は簡単です。
H30までは特に簡単でしたが、H31で難化。しかしなお簡単です。

出題範囲は簡単な微積分とベクトル・行列の問題。
徹底研究をそこそこ解ければ満点が取れると思います。
なお、解答用紙が狭いので専用の対策が必要です。

物理

岡山大学の物理は簡単で、主に高校課程から出題されます。
H30までは特に簡単でしたが、H31で難化。しかしなお簡単です。

基本的に、黄色い本(演習力学、電磁気学)に取り組む必要はなく物理のエッセンスと必要があれば名門の森や高専の物理に取り組めば良いと思います。

面接

岡山大機械システム系学科の面接は10分間です。
人によって前後しますがほとんどすべての人が10分で終わり、前後の受験番号の人が休んでいればその分伸びる場合もありそうです(私は後ろ2人が欠席していて15分くらいだった)
部屋によって質問内容が違ったようですが、どこも口頭試問はなく10分程度、全体には次のような質問だったようです。
・受験番号、出身学校名、名前を教えてください
・志望動機→クォーター制を言うと良い  
・どのような研究をしているか→人によっては深く聞かれる
・学生時代に部活動など、取り組んだことはあるか
・これは合否とは関係ないのですが、併願校はどこですか
・岡山大学の志望順は何番目ですか
・岡山大学がはじめての受験校ですか  
・以上です。ありがとうございました。

勉強方法way to study

数学(220時間)

勉強内容
10-5 「過去問徹底特訓」を使った演習(2周+ミスした問題をさらに2周)
6 過去問徹底特訓」を使った演習
「微分積分徹底研究」の苦手な部分を演習
岡山大の過去問(5年分)

合計時間が220時間なのでかなり少ないです。
数学・物理の過去問はセットでやったので数学としてカウントしています



正直、数学はマジで徹底研究だけやっていれば十分です


物理(70時間)

4年の3月から始めました。
数学をある程度やってからのほうが良いと聞いていたのでここまで遅らせたのですが、
数学をやってからにしたのは正解だったと思います。
参考書の演習をして、わからなかったところはネットで調べたり電磁気学に限っては先生に聞きに行ったりしました。

勉強内容
3 「基礎物理学演習Ⅰ」を使った演習
「物理のエッセンスⅠ」を利用した理解・演習
4 「物理のエッセンスⅠ、Ⅱ」を利用した理解・演習
5 「電磁気学演習」を利用した演習
6 「演習力学」「電磁気学演習」を利用した演習
岡山大学過去問(5年分)

物理の勉強は基本的にエッセンスで十分です。
他高専では名門の森をやっている人もいましたが、正直なところ岡山大学の物理はものすごく簡単なのでエッセンスを完璧にすればそれだけで満点にたどり着けます。
過去問をやってあまり得点できなければ追加の勉強をする形で良いと思います。

編入試験当日exceperience

試験前日

前日は15時頃に東横イン岡山駅西口広場に付き、受験会場の場所を下見しました。
東横INNは全国同じレイアウトなのでおすすめです。
夕食は牛丼を食べました(編入の前日は毎回牛丼を食べています)
また、23時頃寝ました

試験

6時30分に起き、朝に簡単な数学・物理の見直しをした後試験開始1時間前に会場に着きました
服装は全員がスーツでした。
私の学校から、岡山大学に過去に進学した人がほとんど居なかったため面接について情報をもっておらず、その対策として朝早く言って友達を作り、面接の情報を聞く戦略にでました。
行きの電車内で編入生らしき人が居たので話しかけると阿南高専の人でしたが学科が異なり情報が得られませんでした。
開場前の机で勉強している6人くらいの集団に話しかけると明石高専で、機械システム系学科の情報をもっていたので色々と聞きました。
・口頭試問はある年とない年がある
・志望理由としてクォーター制をあげた人は合格率が高い
という2つが特に重要で、おかげで前者は昼休みに簡単な勉強を、後者は面接で言うことが出来ました
(結局口頭試問はありませんでしたが)

・数学
例年よりも難易度が上がっていて焦りましたが、解くことが出来ました。解答欄が少ないのに注意が必要です。
なお、定規持ち込み可です。

・物理
例年よりも圧倒的に難化していましたが、キルヒホッフの法則で6つくらい連立方程式を立てて強引に解いたら全問解けました。

・昼休み
明石高専の友達と一緒にいました。数学でミスをして予想は7割と言っていましたが、彼も合格していました。
なお彼は大阪大学でも会い、合格していたので7割というのはなにか致命的なミスをしたんだろうなと思います。

・面接
具体的な質問内容は下記のとおりです。
・受験番号、出身学校名、名前を教えてください
→普通に言えばよいが、受験票を出しやすい位置で持っておいたほうが良い
・志望動機
→インタフェイスシステム学研究室に引かれたこと、カリキュラムにロボット系の科目が多いこと、クォーター制を導入していることについて述べた。後述するが、クォーター制については志望動機にしたほうが良い
・(志望動機でインタフェイスシステム学研究室のかなり細かい情報を説明し、内部生に聞いたと言ったので)どうやってそれほど内部情報を得たのか
→インターネット上で友人がおり、偶然にもその友人が岡山大学インタフェイスシステム学研究室と興味のある研究室であったためと説明
・(更に上記について)それだけであれば他大学と平等に比べられていないのではないか、他大学の興味のある研究室や岡山大学の他の研究室も同様に友人を探したのか
 →高専編入生向けに、編入生を多くとっている大学に関しては編入生が説明する集まりがあるため、そこで主要な大学は話を聞き、そこから大学を絞った  
・(更に上記について)その集まりは全高専生が参加するのか   
→参加しない人が大半だが、編入に強い意志を持っている人は他に集まりがないので そこに行き着くことになる。
・どのような研究をしているか  
→階段昇降用ロボットの研究・開発。特にサービスロボットに使えるようなものを制作している
・具体的な毎日のタスクはなにか  
→スケッチ、CADによるモデル作成。今後は加工・組み立てを予定
・では材力は得意ですね  
→得意です。しかし本設計では材力の計算だけではなく、CAEによる有限要素法解析も用いています。  
・(力学も大切にね と言われた後)学生時代に部活動など、取り組んだことはあるか   
→大きく2つある。1つは部活動で機械設計を3年担当し、時には機械設計班リーダーをつとめ、その際2015年に近畿地区合同ロボットコンテストで優勝を収めた(面接官はリアクションをとらなかった)
 もう一つは趣味のソフトウェア開発。8年間プログラミングをしており、多くの作品を公開したが特に反響の大きかったものはゲーム
・ツールを中心としたソフトウェア投稿サイトで6位/16000作品になった ・岡山大学では何を頑張りたいか  
→先ほど説明した研究を第一におき、三年時には授業に取り組みつつインターンシップにも参加してロボットに関する技術を身に着けたい。
・(上記までの事柄について)かなり積極的であるが、どこからその熱意はでているのか  
→(少し話しながら考えた後)子供の頃からものづくりが好きで、ロボットなど実際に自分の考えた物が動いた時、ソフトウェアのように想定通りの動作を実現できたときに喜びを感じることが原動力である。しかし、一番は単にものづくりが好きということである
・(隣の人が)先程、ソフトウェアで6位/16000作品と言っていたが、どのようなものか  
→(人狼ゲームというゲームを知っているか聞いた後うなずかれたので)人狼ゲームの改良版をオンライン上で遊べるようにした。しかしこれだけであれば他に2つのツールも存在する。私のツールでは人狼サイドに当たる側を盛り上がりについて最大化するように最適化している
 ・(元の人が)ちなみにどんな人を人狼にするともっとも盛り上がるのか  
→好きな数字をまず選ばせ、1234や1111などを選ぶ団体では司会になるような人、6472のような規則性のない数を選ぶ団体ではあまりしゃべらない人を選択すると最も盛り上がる。
・これは合否とは関係ないのですが、併願校はどこですか  
→東京工業大学、大阪大学、豊橋技術科学大学 ・岡山大学がはじめての受験校ですか  
→はい。初めてです
・岡山大学の志望順は何番目ですか(その後隣の人と笑いながら再質問された)  
→3番目です  
・以上です。ありがとうございました。   
→ありがとうございました。

以上です。面接は4つの部屋で同時進行し、受験番号/10の整数部分で0~3の部屋に割られました。
私以外の3部屋のうち2部屋は面接官のやる気がなかったり、圧迫気味だったそうです。

合格者は合計50人程度、機械システム系学科では37人中20人が合格でした。

受験後は試験と面接の出来から合格しただろうと革新して第一志望・第二志望の勉強をしていました。

・おまけ
試験後は新幹線の待ち時間が会ったこと、第一志望である東工大の解答を共有する相手が欲しかったことから明石高専の人と岡山城に行きました。
楽しかったですが、その時LINEを交換した方からは東工大の過去問に関する情報は送られてこず、最速のLINEは返信が東工大受験の終わった次の日に来ました。
まあ東工大も受かってたんでいいんですが、後輩の方々はこういった情報をできるだけ先輩やネットの友人から得るべきだと思います。
リアルで初めて会った人にLINEやメールアドレスを渡しても裏切られるリスクは高いです(2/3は裏切られた)


後輩に伝えることがあるとすると、コンスタントに勉強し続けることです。
多くの方はリフレッシュやメリハリを提示すると思いますが、私が考えているのは毎日決めた時間は必ず勉強するという生活スタイルです。

私は編入の勉強において、生活スタイルを何回も変えたことにより概日リズム睡眠障害になったり、
睡眠時間が7時間必要だったのに12時間必要になる時期があったりと様々な体調不良を引き起こしました。

そこで提案するのは、編入の勉強は初期に生活スタイルを確立させ、そのリズムで行動することです。
もちろん休憩としてカラオケに行ったり旅行に行ったりはありだと思います。
しかし、それらは本当に必要なときにとどめたり、散歩のように毎日の生活に取り入れることが大切だと思います。

勉強方法については、私は過去問を多く取り入れるべきだと考えます。多くの受験生は過去問よりも参考書の利用や演習書の利用にウェイトを置き、過去問は数年分しか解きません。しかし、真に大切なのは過去問を解くことです。
編入試験で過去問の解答はないわけですが、先生に解答例を制作してもらったり、先輩からもらったり、同級生と相互採点したりと戦略は無数にあります。そのため、過去問を軸とした勉強を行うことは可能です。

ぜひ、過去問を軸とした勉強をがんばってください


おわりにend

このサイトを執筆しているのは、岡山大学に勉強時間300時間に満たない時間で合格した、普段から趣味のゲーム制作に数学や英語を扱っていた私です。
つまり、この体験記はまず間違えなく一般的に通用するものではありません。
ぜひ、この一意見にとらわれることなく、多くの体験記に触れて自分に有意と思われる情報のみを抽出して編入試験に臨んでください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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