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編入化学の対策

はじめにIntroduction


このページでは高専→大学編入学における化学の対策や参考書について説明します。特に私の受験した大学の内、受験科目に化学のある東工大を受験される方はぜひ読んでみてください!

出題範囲Exam area

私が考える限り、編入試験で主に出題される化学は以下のように分けることが出来ます。
・理論化学
・物理科学
・無機化学
・有機化学
上記の内、例えば東工大では「物理科学は毎年出題されて簡単」「無機化学は数年に一度の出題」「有機化学は毎年出題されて難しい」などの特徴があるので、自分の志望校について調べるべきだと思います。

ステップ1step1

編入試験のために化学を勉強するための第一ステップは高校課程の化学の概念を理解することです。
非科学系の高専生は1,2年次に化学を学習しますが、5年にもなればほとんどすべて忘れていますし、そもそも高専生は高校課程の化学を最後まで学習していません。
「化学の新研究」は分厚いですが高校課程の内容をすべて収録しています。ステップ2で無機化学・有機化学のよりよい参考書を紹介するため、化学の新研究を使って無機化学・有機化学以外のすべての範囲を一通り読む(理解をそれほど求めなくて良い)と良いと思います。
当然、問題も解く必要はないと思います。

・化学の新研究

ステップ2step2

ステップ2では「理論化学」「無機化学」「有機化学」「物理化学」の基礎を学習します。それぞれ図が見やすくて短時間で深い理解を得られる参考書があるので、各2ずつくらい読むと良いと思います。
なお、物理科学は多くの受験者が「ベーシック物理化学」を利用せず、後述するバーロー物理化学などを利用している印象がありますが、個人的には(少なくとも投稿台を受験する場合には)ベーシック物理化学のほうが要点を絞っているためコスパが高いと思います。

なお、東北大を受験する場合高校課程しか出題されないため
・鎌田の理論化学の講義
・福間の無機化学の講義
・鎌田の有機化学の講義
の3冊を理解できれば良いと思います(たぶん)

・鎌田の理論化学の講義

・福間の無機化学の講義 ・鎌田の有機化学の講義 ・ベーシック物理化学

ステップ3step3

ステップ3では物理化学や有機化学について理解を深めます。おすすめは「電子の動きで見る有機反応の仕組み」「マクマリー有機化学概説」、webサイト「薬学まとめました」です。実は後一冊、私は使っていないものの非常に良いとされる参考性があるようですが公言してよいかわからないので伏せておきます。
「電子の動きで見る有機反応の仕組み」は有機反応する際、電子がどのように動くのか全て書いてくれています
「マクマリー有機化学概説」は大学課程の有機化学の参考書です。東工大志望であれば10章までやれば良いと思います。
「薬学まとめました」は物理科学・有機化学をわかりやすくまとめたwebサイトです。マクマリーより先にやったほうが理解が円滑になります。

・電子の動きで見る有機反応の仕組み

・マクマリー有機化学概説薬学まとめました(物理化学まとめました)

薬学まとめました(有機化学まとめました)

ステップ4step4

ステップ4は有機化学の理解を深めるための段階です。
ステップ3までは比較的安価な参考書であり、線を引いたり付箋を貼ったりと言ったことが多いので買うべきですが、ステップ4以降は図書館でいいかな感があります。
また、このあたりからは参考書を読んで理解するのではなく、過去問でわからなかったところを参考書で調べるのが良いと思います。(合格者の中で比較的上位になってくると全部読んでいるようです)
「マクマリー有機化学上・中・下」は大学課程の有機化学をかなり詳しく説明しており、「マクマリー有機化学の解き方」はマクマリーに載っている問題の解き方が描いています。
・マクマリー有機化学 上

・マクマリー有機化学 中 ・マクマリー有機化学 下 ・マクマリー有機化学 問題の解き方

ステップ5step5

ステップ5は理論化学・物理化学・無機化学・有機化学のさらなる応用分野です。これも過去問に対して辞書的に使えば良いと思います。(上位合格者は読んでるようですが…)
「マクマリー一般化学」は化学の新研究と鎌田の理論化学で書かれていた理論化学の内容を、凝固点降下など大学課程まで拡張したものです。多くの人は「ブラディ一般化学」を使いますが、マクマリー有機化学との一貫性を考えると「マクマリー一般化学」がおすすめです。
応用分野の物理科学は「物理化学―分子論的アプローチ」や「バーロー物理化学」「アトキンス物理化学」など多くの種類があります。正直、東工大の問題はベーシック物理化学で解けたのでこれらには触れていませんが、studyplusを見ている限り使っている方はいました
大学課程の無機化学は全く触れていませんが、一応「シュライバー・アトキンス無機化学」がそれに該当するそうです。よほど時間が余っていない限りやらなくていいかなと思います
「ボルハルト・ショアー現代有機化学」はマクマリーよりも分量があるもののわかりやすく詳しい有機化学の参考書です。東工大ではしばしば出題されるVSEPR理論などの説明はマクマリーよりも遥かに詳しいです。
複雑なので、東工大受験に限った話ですがおすすめ度をまとめておきます
・マクマリー一般化学★3
・ブラディ一般化学★2
・物理化学―分子論的アプローチ★?
・バーロー物理化学★?
・アトキンス物理化学★?
・シュライバー・アトキンス無機化学★?
・ボルハルト・ショアー現代有機化学★4


・マクマリー一般化学(上)

・マクマリー一般化学(下)
・ブラディ一般化学(上)
・ブラディ一般化学(下)
・物理化学―分子論的アプローチ(上)
・物理化学―分子論的アプローチ(下)
・バーロー物理化学(上) ・バーロー物理化学(下) ・アトキンス物理化学(上)
・アトキンス物理化学(下) ・シュライバー・アトキンス無機化学(上)
・シュライバー・アトキンス無機化学(下)
・ボルハルト・ショアー現代有機化学(上) ・ボルハルト・ショアー現代有機化学(下)

ステップ6step6

ステップ6は演習です。
化学の問題集として、高校課程は「化学重要問題集」、大学課程は「基本から大学院入試まで有機化学演習」「大学院入試問題を中心に有機化学演習」がよく使われます。個人的には過去問重視だったのでほとんど使いませんでしたが、やはり上位合格者はやっていたようです。

・化学重要問題集

・基本から大学院入試まで有機化学演習
・大学院入試問題を中心に有機化学演習

おすすめしない参考書dislike

個人的におすすめしない参考書は「物理化学」としか書いていない赤い参考書です。 多くのブログで高く評価されており、現在は新品が販売されていないため中古で購入したのですが、評価と異なり全然使えませんでした。 内容が難解過ぎる上に、試験範囲にもあっていない… 一応、kindle版のリンクだけ貼っておきます ・物理化学

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参考書一言レビュー
【H31年度大学編入体験記】東京工業大学(機械系)
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